2015年10月31日

購入記録(2015.10.30)

ロビン・ホブ 白の予言者(3) 創元推理文庫 ¥1,296
ロビン・ホブ 白の予言者(4) 創元推理文庫 ¥1,296

〈道化の宿命〉シリーズの『白の予言者』の後半部分を購入。
相変わらず,ロビン・ホブは大半が積んだままになっています。
特に蒐集家というわけではないのですけれどね。
読めば面白いのは分かり切っているのですが,どうも手を出し辛いです。
現状では心が異世界ファンタジィを欲していない感じ。
いずれまとめて読みたいと思います。

〈2015年書籍購入覚書〉 計96冊
posted by 森山樹 at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

2015年10月29日

購入記録(2015.10.29)

笹本祐一 星のダンスを見においで 地球戦闘編 創元SF文庫 ¥864
笹本祐一 星のダンスを見においで 宇宙海賊編 創元SF文庫 ¥864
ライナー・レフラー 人形遣い 創元推理文庫 ¥1,296

『星のダンスを見においで』は2度目の再刊。
大好きな作品なので素直に嬉しいです。
前回の朝日ノベルズ版も探せば出てくるんですけれどね。
改めて再読するのも悪くないかもしれません。
『星のパイロット』も新たな続巻込みで再刊して欲しいなあ。
勿論『ARIEL』の新作もずっと期待していますよ。
『人形遣い』はドイツを舞台としたミステリィ。
猟奇殺人事件を犯罪分析官の活躍が描かれるみたい。
久しぶりに海外作品も読みたいところであります。
ちょっと疲れてしまうのですけれどね。

〈2015年書籍購入覚書〉 計94冊
posted by 森山樹 at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

五代ゆう『グイン・サーガ(137)廃都の女王』

〈2015年読書感想36冊目〉
五代ゆう『グイン・サーガ(137)廃都の女王』


 新たな語り手を得て紡がれ続ける〈グイン・サーガ〉の第137巻です。今巻は作者が五代ゆうということでスカールやヴァレリウスらの動向が描かれます。現段階では宵野ゆめとの棲み分けは出来ているのですが,物語がやがて集束し始めるときに齟齬が生じないのかは気になるところ。特にどちらも独自の登場人物が活躍を見せ始めているだけに楽しみでもあり,不安でもあります。それもまた或いは神話や伝説の常套と言えば,それまでなのでありますけれども。相変わらず,栗本薫の遺した設定を丹念に拾い上げ,物語に巧みに織り込む,五代ゆうと宵野ゆめの手法は素直に好み。物語の進展がそれなりに早いこともあって,全く飽きることなく,寧ろ期待感が煽られ続けます。このふたりによって〈グイン・サーガ〉が紡がれることに改めて感謝の念を強くしています。もう少し刊行頻度が速いと嬉しいけれど,それは仕方がないところでありましょう。栗本薫の執筆速度の異常な速さに今更ながら驚嘆します。

 今巻は大半がスカールの冒険に費やされていますが,その舞台が外伝である『フェラーラの魔女』の舞台であった魔都フェラーラというのが懐かしい。嘗て,グインが訪れたこの街をスカールがザザやウーラと共に訪れることになるというのは因縁めいたものを感じます。但し,その魔都フェラーラは繁栄を失い,キタイの竜王ヤンダル・ゾックの軍勢により蹂躙され荒廃しているのが悲しい。女王リリト・デアも最早死の淵に立っています。この魔都フェラーラに眠る猫頭の女神アウラ・シャーとスカールとの邂逅は非常に面白かった。幾つか新たになった事実もあり,世界の根幹の謎へのひとつの手掛かりとなりそうな物語でありました。ユーライカの瑠璃に続いて登場した,約束された三つの宝石のひとつであるミラルカの琥珀が今後果たす役割も楽しみです。勿論,ナディーンやリアーヌらの再登場も嬉しかった。最早,登場する可能性はなきに等しいのでしょうが,人間と妖魔の懸け橋として幸せになって欲しいと思います。いつか,人間と妖魔が共存する魔都フェラーラが再興することを願ってやみません。また,後半部分ではヴァレリウスとその弟子アッシャの物語が描かれます。竜頭兵への憎しみから魔力を暴走させてしまったアッシャの逡巡と苦悩が辛い。それでもなおヴァレリウスの弟子として魔道士となる道を選んだアッシャの前には更に過酷に運命が待ち受けているのでしょう。そのアッシャの救いとなったのがマリウスというのがたまりません。長い年月を経ても未だにミアイル公子への悔恨を忘れないマリウスが切ないです。師として見せるヴァレリウスの姿も格好良かった。リギアも含めて今巻はパロの生き残りである三人の印象が非常に強いものがありました。未だにヴァレリウスにはリギアと結ばれて欲しいという想いはあるのですけれども。なお,ミロクの都ヤガでのブランの物語は僅かに触れられていましたが,これは次巻への楽しみにします。ソラ・ウィンとの珍道中が面白そうです。

 期待通りに面白さを持続させる,というよりも,更に面白さを増している印象があります。栗本薫から継承した〈グイン・サーガ〉の世界を掌中に収めつつあるということなのかもしれません。五代ゆう側におけるアッシャと宵野ゆめ側におけるアウロラというふたりの少女の今後の活躍も期待したいものです。一方でイシュトヴァーンやリンダ,更には復活を遂げたあの方の今後も気になるところ。レムスもこのままでは終わらないでしょう。中原を吹き荒れる嵐が如何なる方向へと向かうのか楽しみにしています。
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2015年10月27日

葉山透『0能者ミナト(2)』

〈2015年読書感想35冊目〉
葉山透『0能者ミナト(2)』


 理解と分析を駆使し,科学の力をもって怪異と立ち向かう零能者の活躍を描く〈0能者ミナト〉の第2巻です。2篇が収録されていた前巻とは異なり,今回は長篇となっています。対するは前巻の末の閑話「告」で予告されていた鏖なる怪異。その名に相応しい圧倒的な存在感が素晴らしいです。窒息死や突然の爆発,或いは遠くの風景を映し出すなど,一見同一の怪異の仕業とは思えない事象が一点に収束する展開がたまりません。全ての謎が解き明かされる爽快感が素敵。必ずしも全てに納得がいくわけではありませんし,付会な部分があるのも事実。また,その謎を解き明かす契機となった,沙耶が巻き込まれた航空機の騒動もやや偶然に過ぎる気がします。それでもなお,存分に楽しめるだけの面白さを有しているのが素晴らしい。何よりも,鏖の正体が実際に伝承に残る怪異であり,その意外な正体との結び付きだけで満足するものを感じてしまいました。鏖の最期があまりにも切なかったことも余韻が残ります。

 相変わらず皮肉屋で毒舌家の九条湊が楽しい。その武器である理解力と分析力,それらを源とした発想力は見事の一言。周囲の人間にとっては災厄以外の何物でもありませんが,それでもなお沙耶やユウキ,或いは理彩子や孝元らが取り巻くだけの魅力を有しているのも事実であります。尤も,今回はユウキや孝元らが所属する総本山とは敵対し,中盤は捕らわれの身となってしまいます。それでも,沙耶やユウキを使って情報収集に努め,その中から真実を的確に拾い出す湊の能力は存分に発揮されていました。沙耶とユウキもそれぞれの立場,それぞれの能力に応じて,活躍の場が与えられているのは嬉しい。とは言え,美味しいところはやはり湊が全て持って行ってしまうのですけれども。沙耶もユウキも御蔭神道と総本山にそれぞれ所属する身ということもあり,怪異に対して湊の如く非常識な発想が出来かねるという部分は多分にあるように思います。湊は一見捻くれて歪んで曲がった思考にも思えるのですが,その実は得られた情報を素直に受け止めているのに過ぎないのですよね。常識というものが如何に偏見と紙一重であるかということを痛感します。また,今巻では総本山の源覚や科学者の堅剛猛雄といった人物が登場しますが,彼らは今後も折に触れて姿を見せることになりそう。殊に堅剛猛雄はその立ち位置から湊にとっては有力な協力者としての活躍が期待されます。源覚は総本山の一員として今後も敵対する可能性はありましょう。いずれにせよ,再登場の時が楽しみであります。

 不満がないわけではありませんが,それを上回る楽しさに満ちています。特に奇想と言ってもいい鏖の正体の種明かしは本当に素晴らしいものがありました。これだけで満足であります。また,今巻でも最後に閑話が掲載されているのが嬉しい。尤も,今回は前巻とは異なり,次回への予告というか布石はありませんでしたけれども。理彩子や孝元との親しい関係が描かれるという意味では楽しい余談と言えるかもしれません。湊に毒されている理彩子とふたりを見守る孝元と言った図式は興味深いです。いずれにせよ,前巻に引き続き自分好みの作品でありました。今後も着実に既刊を読み続けて行きたいものです。
タグ:葉山透
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2015年10月26日

葉山透『0能者ミナト』

〈2015年読書感想34冊目〉
葉山透『0能者ミナト』


 霊力も法力もなしに怪異に立ち向かう青年の活躍を描くオカルト退魔小説の第1巻です。主人公である九条湊が手にする武器は科学知識と発想力。超自然の存在である怪異を分析し,理解することで,対処する手法を見出すという過程が非常に楽しい。斜に構えて,傲岸不遜な人物ではありますが,その手腕には素直に脱帽してしまいます。湊ともに戦うのは女子高生巫女である山神沙耶と幼いながらも天性の法力の持ち主である赤羽ユウキのふたり。それぞれに優れた才能の持ち主ではありますが,結果的には常に湊に振り回されているような気がします。彼らの後見人的な立場である水谷理彩子と荒田孝元はかつての湊の仲間ということになりますが,三人が組んでいた時代の物語にも興味があります。いずれにせよ,怪異に立ち向かう湊の奇想に心惹かれる物語でありました。その背景は明かされていませんが,湊の過去もこの後に明かされることになるのでありましょうか。

 収録されているのは「嫉」と「呪」の2篇。封印を解かれた怪異である嫉の意外な正体と退治方法は楽しい。とは言っても,その正体は或る程度は容易に想像出来るものではありましたけれども。退治方法は流石に想定外。最新科学をもって怪異に対する湊の戦い方が非常に興味深いです。全ての始まりとなる物語なので沙耶とユウキもこれで初登場。最初は湊に反目していたふたりが結果的には居ついてしまうのが楽しい。ユウキはともかく女子高生の沙耶は問題がある気がするけれども,一応は通いということでいいのかしら。「呪」はその名の通りに旧家の一族にかけられた謎の呪いを巡る物語。その呪いは生きながらにして全身が蝋のように溶けていくという奇怪なもの。その呪いをかけられた一族自らが呪術の大家という陰鬱な雰囲気もたまりません。尤も,此方は真相はともかく呪いの根幹が分かってしまえば,その対処法は容易に想像出来るものでありました。とは言え,何処か余韻の残る結末は好み。単に後味の悪い物語というわけではない,最後の種明かしが効果的に思えます。どちらの物語も最終的には湊の発想力が事態を打開するものの,沙耶の巫女としての力とユウキの天性の法力がきちんと生かされているのも楽しい。湊に振り回されながらも最終的には仲間として怪異に立ち向かうというのは好みであります。

 題名に惹かれて読み始めた作品ではありますが,これはかなり自分好み。怪異と科学の幸せな融合がたまりません。「呪」はともかく「嫉」はこの物語の為に生み出された怪異というのは少し残念でありましたけれども。個人的には実際に語り継がれてきた伝承上の怪異との戦いやその正体,或いは対処法を提示するほうにこそ魅力を感じます。独自の怪異も悪いものではないのですけれどね。先に対処法ありきという想いを抱いてしまうのです。とは言え,全般的に十分に満足のいく作品でありました。既刊も相当数あるので,暫くは楽しむことが出来そうです。閑話として次巻で扱われる予告があるのも嬉しいです。
タグ:葉山透
posted by 森山樹 at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想