2019年03月21日

ジェームズ・ロリンズ『ナチの亡霊(上)』

〈2019年読書感想7冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『ナチの亡霊(上)』〈シグマフォース〉


引き続きジェームズ・ロリンズの〈シグマフォース〉を読み進めています。
相変わらずの歴史と科学に関する蘊蓄というか解釈が楽しい。
そして,このふたつが融合した結果,神秘主義に至ってしまうのも前作同様。
今回は題材がナチスなので,それも宜なるかなという感じではありますけれども。
超人思想に進化論,カンブリア爆発,知的デザイン説,トゥーレ協会と盛沢山です。
ペインター・クロウの現場での活躍も楽しい。
前作ではほぼ司令部から指示を出すに留まっていましたからね。
まあ,あまり司令官が現場に赴く組織はどうかという気もします。
デンマーク,ネパール,アフリカと事件が同時進行する展開は好み。
この凶事が如何に収束するのか楽しみです。
残念なのはモンクやキャットの出番が少ないことかなあ。
尤も,フィオナやリサ,アンナといった強い女性陣は大変に魅力的であります。
僅かに登場のセイチャンやレイチェルを含めて,このシリーズの女性は格好いい。
絶体絶命の窮地からの大逆転劇も楽しみなところ。
提示された様々な謎が如何様に収束するのか期待したいと思います。

(竹書房文庫 2012年)

posted by 森山樹 at 10:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想

2019年03月19日

ジェームズ・ロリンズ『マギの聖骨(下)』

〈2019年読書感想6冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『マギの聖骨(下)』〈シグマフォース〉


ドイツ,イタリア,エジプト,フランスとマギの遺した秘密を巡る冒険譚の下巻。
あまりに内容が盛沢山すぎますが,それでもきちんと収束している点は見事。
まさかアレキサンダー大王の墓までが登場するとは思いませんでした。
そして,フィロンの選んだ世界の七不思議がその謎に介在するという。
特に後半はシグマフォースが完全に押され気味だったのは面白い。
窮地に立たされてからの奮起というか逆襲は爽快感があります。
あまりやりすぎると危機感が薄れる気がしますけれども。
シグマフォースにとって仇敵だったはずのセイチャンとの共闘も扱った。
レイチェルと並んで事実上ふたりめのヒロインの座に位置した気がします。
真のドラゴンコートの支配者は割合に想像が付き易いのはちょっと残念。
叙述的な陥穽が仕掛けられていましたが,あまり機能しているとは言えません。
ペインター・クロウにもきちんと見せ場が用意されているのは嬉しかった。
ただ,最後の超展開はやや神秘主義的なきらいがあったのはどうなのかな。
歴史+科学を謳う作品は最終的にオカルトへ至る悪癖を感じます。
全体的には娯楽小説として十分に楽しめました。
今後も続篇を読み進めていきたいと思います。

(竹書房文庫 2012年)

posted by 森山樹 at 06:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想

2019年03月18日

ジェームズ・ロリンズ『マギの聖骨(上)』

〈2019年読書感想5冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『マギの聖骨(上)』〈シグマフォース〉


米国国防総省の特殊部隊シグマフォースの活躍を描くシリーズの第1作目。
聖書に登場する東方の三博士,すなわちマギの秘密を巡る冒険譚です。
『ウバールの悪魔』で登場したペインター・クロウも司令官として活躍。
カサンドラ・サンチェスやキャラ・ケンジントンの名前も垣間見えます。
このあたりは正しい前日譚として嬉しいところ。
コーラル・ノヴァクがまるで登場しないのは残念ですが,次作以降に期待かなあ。
再編成されたシグマフォースの新たな隊長はグレイソン・ピアース。
そして,モンク・コッカリスとキャスリン・ブライアントというチームになります。
個人戦から団体戦へと移行した感があって楽しいです。
また,ヒロイン役のイタリア国防総省警察のレイチェルも魅力的。
更にギルドの暗殺者セイチャンが絡んで人間関係もより複雑になります。
シグマフォース,ギルド,ドラゴンコートと三陣営による戦いも面白い。
超電導を初めとする科学要素もふんだんに盛り込まれているのが素敵ですね。
ドイツからヴァチカンへと遷移する戦いから目が離せません。

(竹書房文庫 2012年)

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2019年03月17日

購入記録(2019.03.16)

ジェームズ・ロリンズ ナチの亡霊(上) 竹書房文庫 ¥720
ジェームズ・ロリンズ ナチの亡霊(下) 竹書房文庫 ¥720

『マギの聖骨』が存外に面白かったので続巻を購入してみました。
〈シグマフォース〉シリーズの第2作目ということになります。
早速読書を開始したところですが,期待通りに面白い。
ネパール,デンマーク,アフリカと同時進行する凶事が如何に絡むか楽しみ。
少なくとも此処まではそれ程ナチスが関わってきている感じはありません。
ハーケンクロイツはネパールで登場してきましたけれどね。
如何なる展開を見せるのか楽しみにしたいと思います。
今回は敵役としてギルドは登場しないのですかね。

〈2019年書籍購入覚書〉 計10冊
posted by 森山樹 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

2019年03月14日

高田崇史『試験に出ないQED異聞』

〈2019年読書感想4冊目〉
高田崇史『試験に出ないQED異聞』


高田崇史のデビュー20周年を記念して刊行された短篇集です。
〈QED〉や〈古事記異聞〉など講談社ノベルスで刊行されたシリーズの番外篇でもあります。
「九段坂の春」は既に別の短篇集で既読。
タタルの中学生時代のほろ苦い初恋が描かれます。
完結まで読んだ身としては,割合に重要な掌篇であったと実感しますね。
シリーズ後半の重要人物の初登場する篇でもありました。
「QED〜ortus〜鬼神の社」はタタルと奈々の出逢いの物語。
事件そのものは大したことがないのですが,この後の二人を想うと感慨深いです。
「木曾殿最期」は〈QED〉と〈古事記異聞〉が交差する物語です。
〈古事記異聞〉の主人公である雅が民俗学を志す契機になった出来事が語られます。
雅の目を通して語られるタタルと奈々の姿が面白い。
まあ,傍から見ればある種の不審人物ではありますね。
木曾殿こと源義仲の実像に迫る本篇も読みごたえがありました。
いつもとは異なり殺人事件が絡みませんが,これで全く問題ありません。
素直に歴史や民俗に焦点を絞ったほうが楽しめるような気がします。
〈古事記異聞〉は今後の展開に期待しています。
また,〈QED〉は既に完結していますが,折に触れて番外篇の発表があると嬉しいです。

(講談社ノベルス 2019年)

タグ:高田崇史
posted by 森山樹 at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想