2019年03月10日

ジェームズ・ロリンズ『ウバールの悪魔(下)』

〈2019年読書感想2冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『ウバールの悪魔(下)』〈シグマフォース〉


幻の都市ウバールを巡る争いが描かれる冒険小説の下巻です。
科学要素は存外に薄かったのが残念。
というよりも,寧ろ神秘主義的な傾向が強く垣間見えました。
尤も,これはこれで大好物の範疇ということになるのですけれども。
敵対組織ギルドの真意があまり見えなかったように感じます。
今作での最大の敵役となるカサンドラの最期も割にあっさりでした。
サフィアと彼女が属する民族ラヒームの正体は意外でした。
ただ,その説明は結局超自然的で受け入れ難いものがありました。
全体的に冗長ではありましたが,それでもなお楽しめたことも事実。
特にウバールを探す過程でのサフィアとオマハの推理は面白かったです。
主人公であるペインター・クロウは意外に影が薄い感じは否めず。
寧ろサフィアのほうにこそ主人公的な役割を感じてしまいました。
まあ,事実上の第0作としての役割は一応十分に果たせていたようには思います。
本篇開幕となる次作に大いなる期待を寄せたいですね。

(文春文庫 2013年)
posted by 森山樹 at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想