2019年03月12日

キム・ニューマン『モリアーティ秘録(上)』

〈2019年読書感想3冊目〉
キム・ニューマン『モリアーティ秘録(上)』


『ドラキュラ紀元』のキム・ニューマンの最新邦訳作品。
所謂〈シャーロック・ホームズ〉のパスティーシュということになります。
探偵役がモリアーティ教授というのはともかくモラン大佐が語り手というのは面白い。
ある種のピカレスク・ロマンとして読むこともできるでしょう。
また,キム・ニューマンらしく虚実織り交ぜた人物が登場するのも楽しい。
この辺りは作者の真骨頂と言えるでしょう。
上巻に収録されているのは4篇。
個人的には「血色の記録」と「ダーバヴィル家の犬」がお気に入り。
「血色の記録」でのモリアーティ教授とモラン大佐の初対面のやり取りがたまらないです。
「ダーバヴィル家の犬」はそのあまりにもどうしようもない結末が大好き。
正典をモリアーティ風に皮肉な物語として換骨奪胎しているのが素敵です。
あまりにも下巻を読むのが惜しくて現在は積んでいます。
とは言え,残りの物語も気になるので早めに読むことになるでしょう。

(創元推理文庫 2018年)
posted by 森山樹 at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想