2019年03月19日

ジェームズ・ロリンズ『マギの聖骨(下)』

〈2019年読書感想6冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『マギの聖骨(下)』〈シグマフォース〉


ドイツ,イタリア,エジプト,フランスとマギの遺した秘密を巡る冒険譚の下巻。
あまりに内容が盛沢山すぎますが,それでもきちんと収束している点は見事。
まさかアレキサンダー大王の墓までが登場するとは思いませんでした。
そして,フィロンの選んだ世界の七不思議がその謎に介在するという。
特に後半はシグマフォースが完全に押され気味だったのは面白い。
窮地に立たされてからの奮起というか逆襲は爽快感があります。
あまりやりすぎると危機感が薄れる気がしますけれども。
シグマフォースにとって仇敵だったはずのセイチャンとの共闘も扱った。
レイチェルと並んで事実上ふたりめのヒロインの座に位置した気がします。
真のドラゴンコートの支配者は割合に想像が付き易いのはちょっと残念。
叙述的な陥穽が仕掛けられていましたが,あまり機能しているとは言えません。
ペインター・クロウにもきちんと見せ場が用意されているのは嬉しかった。
ただ,最後の超展開はやや神秘主義的なきらいがあったのはどうなのかな。
歴史+科学を謳う作品は最終的にオカルトへ至る悪癖を感じます。
全体的には娯楽小説として十分に楽しめました。
今後も続篇を読み進めていきたいと思います。

(竹書房文庫 2012年)

posted by 森山樹 at 06:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想