2019年04月22日

購入記録(2019.04.22)

京極夏彦 今昔百鬼拾遺 鬼 講談社タイガ ¥745

京極夏彦の久しぶりの〈百鬼夜行〉シリーズの新作です。
と言っても,立ち位置は番外篇といった位置付けでしょうか。
これも悪くはないけれど,やはり本篇が読みたい。
『鵼の碑』はいつまで待てばいいのでしょうかね。
なお,来月再来月も続けて刊行されるみたいです。
角川文庫と新潮文庫とレーベルを変える意味が見いだせないけれども。
まあ,読めるだけ良しとしましょう。

〈2019年書籍購入覚書〉 計24冊
posted by 森山樹 at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

若竹七海『殺人鬼がもう一人』

〈2019年読書感想14冊目〉
若竹七海『殺人鬼がもう一人』


のどかな地方都市・辛夷ヶ丘を舞台とするミステリィ短篇集。
一応,女性警官の砂井三琴は全話に登場しますが,主人公とは言い難い。
最初の2篇は明確に主人公と言えるのでしょうけれども。
残りは最終話を除くとほぼ端役といった感じに止まっています。
とは言え,その不気味なと言える程の存在感は素晴らしい。
最初は単なる悪徳警官に過ぎなかった彼女が徐々に異形と化していく気がします。
或いは闇に飲み込まれていくと表現したほうがいいのかもしれません。
若竹七海作品の共通の毒気は健在。
寧ろ,これまでにない猛毒と言っても過言ではないでしょう。
登場人物にひとりも善人がいないというのが空恐ろしいです。
20数年は事件らしい事件がない辛夷ヶ丘の真の姿に気付くと本当に怖い。
収録されているのは6篇。
「ゴブリンシャークの目」と「丘の上の死神」はいつもの若竹七海作品。
主人公を含めて困った悪人ばかりですが,それでもまだ生易しい。
砂井三琴の言うところの素敵な不労所得が或る意味では素敵。
「黒い紬」と「葬儀の裏で」はどちらもかなり好きな作品。
特に「葬儀の裏で」に登場する一族の危なさがたまらないです。
誰もが信じられなくなる恐怖感が非常に良い。
「黒い紬」は結婚式の会場で起こる騒動を描いた作品。
此方は最後の落ちが秀逸でした。
生々しい女性同士の鍔迫り合いも傍から見ている分には楽しめます。
決して当事者になりたくはないけれども。
「きれいごとじゃない」と「殺人鬼がもう一人」も嫌いではない。
寧ろ,好きな部類なのですが,それでも苦手感を覚えてしまいます。
多分,きっと,それは落ちのせいかなあ。
各篇が微妙に関連しているのも流石というところです。
個人的にはかなり楽しめた作品ですが,万人にはお勧めし辛いなあ。
若竹七海の文法に耐性がないと悪意に心が傷付けられる気がします。
それを踏まえた上で自分としてはやはり若竹七海の作品が大好きです。
いつか,葉村晶と砂井三琴が共演する作品も読みたいものですね。
かなり酷いことになりそうな気がしますが。

(光文社 2019年)

タグ:若竹七海
posted by 森山樹 at 06:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想