2019年08月04日

神坂一『スレイヤーズ(5)白銀の魔獣』

〈2019年読書感想40冊目〉
神坂一『スレイヤーズ(5)白銀の魔獣』


恐らくシリーズでも一番人気のゼロスが登場する〈スレイヤーズ〉の第5巻。
この後も尾を引き続ける魔獣ザナッファーが本格的に物語に絡む巻でもあります。
いや,本当にまさか第16巻まで引っ張るネタになるとは思いませんでした。
ゼロスの登場で魔族の動向がいろいろと鮮明になったのは面白い。
ゼルガディスも再再登場し,アメリアとともに旅の仲間が確立されました。
シルフィールは未だにセイルーンで休養中という扱いの悪さですが。
今巻でリナと対峙するのはシャブラニグドゥを奉じる邪教集団。
但し,それを統べるクロツや副官相当のバルグモンは如何にも影が薄い。
個性がないわけではないのですが,退場の仕方があまりにあっさりし過ぎなのですよね。
一番印象的なのはデュクリスかなあ。
彼のひと時のリナとの触れ合いと別れはかなり心に来るものがあります。
リナの魔力を封じた謎の女性マゼンダも印象的ではあります。
明確に描かれてはいませんが,彼女を一蹴するゼロスの強さも底が知れない。
とは言え,やはり一番燃えるのは最後のザナッファーとの死闘でありましょう。
ガウリイ,ゼルガディス,アメリアと息を併せての戦いが熱いです。
相変わらず,最後はリナの機転が決め手というのも面白い。
ゼロスが語る魔法の理屈は世界観を補強する意味でも興味深かった。
出番が割と少なめのガウリイもきちんと美味しいところを持っていくのが素敵。
というか,光の剣が更に化け物じみた強さを発揮するようになっています。
このあたりはいろいろと設定が煮詰まってきた証左かもしれません。
物語は異界黙示録を巡る新たな段階へと進みました。
姿を消したゼロスの動向も含めて謎が謎を呼ぶ展開が非常に楽しい。
第一部の残る3巻もこのまま読み通していきたいと思います。

(富士見ファンタジア文庫 2008年)

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posted by 森山樹 at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想