2019年08月11日

神坂一『スレイヤーズ(8)死霊都市の王』

〈2019年読書感想43冊目〉
神坂一『スレイヤーズ(8)死霊都市の王』


冥王フィブリゾとの戦いが中心となる〈スレイヤーズ〉第一部最終巻です。
舞台が再びサイラーグとなるのが熱い展開。
というか,この都市はいろいろあり過ぎて,訳の分からないことになっています。
この状態から再起しそうなのは或る意味怖いというかなんというか。
そして,サイラーグが舞台ということでシルフィールも再登場。
第4巻で離脱していたので久しぶりという感があります。
セイルーンのフィリオネル王子の件は無事に心の傷となったようですが。
意外な活躍をしてくれるので侮れません。
事実上,冥王フィブリゾへの反撃の糸口となったわけですしね。
冥王フィブリゾは如何にも魔族と言った厭らしいやり口が最高に素敵。
ただ,その冥王フィブリゾすらも凌駕する金色の魔王の力がたまりません。
その意外性のある正体も楽しかった。
最後の最後までリナ達の決め手は偶然ということになってしまいましたが。
但し,その偶然に至るまでの足掻きこそがリナの真骨頂という気もします。
そして,ガウリイの愛剣であった光の剣も今巻で退場となりました。
その真の姿は意外でしたが,もう少し活躍して欲しかったなあ。
アメリアとゼルガディスもいまいち消化不良感のある立ち位置でした。
第二部にはふたりとも登場しなかった筈なので,ちょっと残念な気がします。
ガウリイに至っては今巻では殆ど捕らわれのお姫様役ですからね。
ゼロスは最後に美味しいところを持って行ったなあという感があります。
敵でもなく味方でもない,独特の立ち位置が非常に良いです。
最終的には何処かリナへの仲間的な意識も芽生えていなくもなかったですし。
勿論,当人は否定することでしょうけれども。
何はともあれ,久しぶりの〈スレイヤーズ〉第一部を堪能しました。
いろいろ物足りなさも残るけれど,やっぱり楽しい作品であります。
第二部は少し間をおいてから読み始めたいと思います。
意外に印象が薄いので,期待したいものです。
悲劇色は第一部よりもかなり強かった気がするのだけが気がかりです。

(富士見ファンタジア文庫 2008年)

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posted by 森山樹 at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想