2019年08月23日

ジェームズ・ロリンズ『ギルドの系譜(上)』

〈2019年読書感想49冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『ギルドの系譜(上)』〈シグマフォース〉


ギルドとの全面的な戦いが描かれる〈シグマフォース〉の第7作目です。
或る意味でシリーズ最大の山場と言った感じで大変楽しい。
現段階では歴史的事項の謎にはまだ踏み込まれていないことには不満がありますが。
冒頭を読む限りではテンプル騎士団と不死が今巻の題材ということになるのかな。
ギルドにより誘拐されたアマンダとその胎児を巡る争いが中心となります。
アマンダはギルドの中枢と目されるギャント一族のひとりなのですよね。
このあたりはギルド内部でも複雑な事情があることを窺わせます。
ジェームズ大統領,テレサ大統領夫人,ロバート国務長官がギャント一族として登場。
恐らくはこの中の誰かがギルドを統べる指導者ということになるのでしょう。
シグマ側では軍用犬ケインとそのハンドラーであるタッカーが新たに仲間入り。
誘拐されたアマンダを追跡するのに遺憾なくその能力を発揮してくれます。
タッカーも個性が立っていて割との好み。
また,久しぶりにキャットが現場への任務に携わることになったのも嬉しい。
いきなりリサともども別個にではありますが,捕らえられてしまいましたが。
誘拐されたアマンダを追うシグマはソマリアからドバイへ。
いつも以上に苛烈な戦いとなっているのが非常に楽しいです。
完全にギルドに常に先手を打たれている気もしますけれどね。
上巻の末ではペインター指令官自らがギルドへの敗北を認めてしまいました。
尤もグレイたちがこのまま終わるわけはないので如何に巻き返すのかが楽しみ。
政治中枢にギルドの魔手が介入している以上,孤立無援となってしまうかもしれませんが。
後はやはり冒頭のテンプル騎士団が如何に物語に関わってくるかが楽しみ。
ギルド発祥に至る結社のひとつというだけには留まって欲しくないものです。
捕らわれたキャットとリサの動向も気になるところ。
自宅で愛娘の世話をするモンクにも活躍の場は与えられるのでしょうか。
此処まで戦ってきたギルドの全容が明かされるであろう下巻に期待したいと思います。

(竹書房文庫 2015年)

posted by 森山樹 at 06:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想