2019年09月08日

神坂一『スレイヤーズ(9)ベゼルドの妖剣』

〈2019年読書感想53冊目〉
神坂一『スレイヤーズ(9)ベゼルドの妖剣』


リナとガウリイ以外の仲間を一新して開始する〈スレイヤーズ〉第二部開幕篇です。
表紙はルーク,ミリーナ,シェーラの三人が中心。
一番大きく扱われているのがルークというのは今後を考えれば当然かもしれません。
とりあえずの旅の主題は光の剣に代わるガウリイの剣探し。
今巻の舞台はカルマート公国のベゼルドという街になります。
カルマート公国はこれまでもマインやヴェゼンディが登場しています。
ただ,〈スレイヤーズ〉は地図がないから周辺の地理事情がさっぱり分かりません。
このあたりはちょっと不案内に過ぎる気がしますね。
第一部で滅びた魔竜王ガーヴの力を使う呪文は使用不可という設定は好き。
尤も,このことを考慮していなかったリナは迂闊な気がしますが。
物語としては殆ど進行していないように思えるのはどうなんだろう。
ルークとミリーナ,それにシェーラの顔見せだけに終わっています。
新たな敵として覇王グラウシェラーの提示がされたのは楽しいけれど。
少女シェーラを付け狙う黒装束の集団も謎のままですしね。
大して見せ場もないままに魔族化されたガルヴァは不憫でした。
そして,ガルヴァを置いて逃亡したザインは一応今後に繋がる伏線かな。
新たに登場のルークとミリーナは悪くないのですが印象がやや薄め。
ゼルガディスやアメリア,ゼロスといった強烈な個性には欠けています。
まあ,このふたりの活躍はこれからなので仕方がないのですけれど。
第一部よりも更に陰鬱な展開を覚えているので不安も大きいです。
何はともあれ,このまま暫くは〈スレイヤーズ〉第二部を堪能します。
早く第三部の刊行も始まって欲しいものですね。

(富士見ファンタジア文庫 2008年)

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posted by 森山樹 at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想