2019年11月11日

櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁』

〈2019年読書感想67冊目〉
櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁』


夏休みのオカルト研究会合宿が楽しい〈ホーンテッド・キャンパス〉第4作目です。
五十嵐結花と片貝璃子が参加しているのは個人的に嬉しいところ。
小山内陣はまあどうでもいいです。
悪いやつではないし,寧ろいいやつだとは思うのですけれどね。
主人公の森司が過剰に意識して,望まぬ心理描写が増えるのが問題です。
今作も短篇集の体裁を採っており,全部で5話が収録されています。
家族を扱ったものが多いのが一応特徴と言えるのかしら。
なお,第4話と第5話が夏休み合宿中のお話となっています。
いつも以上に女性陣が多めで華やかですね。
途中で終わってしまった肝試しが残念に思えましたけれども。
「追想へつづく川のほとり」は部長と泉水の過去話。
それぞれに幼少期より個性を存分に発揮しているのが楽しいです。
虐げられている女性を救う為に奔走するふたりが格好いい。
そして,謎の美少年の正体は或る意味で明らかではありました。
「死者の花嫁」はこよみの大叔母に纏わるお話です。
こよみの両親が初登場するのも興味深い。
結果的には森司にとって都合が良過ぎる展開になってしまうのが残念かなあ。
何と言うか,自助努力に欠ける印象を受けてしまいます。
「うつろな来訪者」は釈然としない終わり方が割と好き。
明確に解決しない結末は恐怖小説のひとつの在り様でありましょう。
結花と璃子にはもう少し出番が欲しかったですね。
特に璃子は森司がお気に入りということで使い勝手はいいと思いますし。
相変わらず,森司に関する以外はお気に入りといったところです。
夏休み合宿に登場する食べ物がひたすらに美味しそうな巻でもありました。
学生ならではの明日を考えない合宿に懐かしさを覚えてしまいますね。

(2013年 角川ホラー文庫)

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posted by 森山樹 at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想