2019年12月29日

椹野道流『無明の闇 鬼籍通覧』

〈2019年読書感想75冊目〉
椹野道流『無明の闇 鬼籍通覧』


新装版に際して再読をしている〈鬼籍通覧〉の第2作目。
主人公がスマートフォンを使用したり,時代に即した改変がされています。
今回は主人公の一角であるミチルの過去に焦点が当てられます。
序盤の乳幼児連続突然死事件が本筋に絡まなかったのは残念かなあ。
尤も,なかなか関係させることが難しいのも事実ではありますが。
幽霊が登場する等,相変わらず超自然的な事象が登場します。
このあたりは好き嫌いが分かれそうな気がしますが,個人的には悪くない。
但し,超自然の手を借りた私刑に思えてしまうのは釈然としませんでした。
実際にそうなのかは明言はされていないのですけれどね。
ミステリィと呼ぶには推理要素があまりないのは残念。
法医学に伴う人体解剖の描写はやはり苦手ですね。
幽霊よりも余程にそちらの方が苦手だったりします。
完璧超人に思えていたミチルの意外な弱点というのも興味深いものがありました。
警察官に対しても言うべきことは言う熱い気持ちが素敵です。
伊月とミチルの微妙な関係は好きなのですよね。
そして,それを師として見守る都筑教授の存在感も頼もしい。
一方で清田や陽一郎,峯子あたりの影は薄かったかなあ。
筧はやや無理矢理な程に優遇されている感がありますね。
事件としてはそんなに面白くなかったかなあ。
前作同様に真犯人が胸糞悪いというのはちょっと気になります。
この路線がずっと続くのであれば,辟易とした想いが露わになってきそう。
次作以降の路線がやや心配になる作品でありました。

(講談社文庫 2019年)

posted by 森山樹 at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想

2019年12月27日

購入記録(2019.12.27)

ルーシャス・シェパード 竜のグリオールに絵を描いた男 竹書房文庫 ¥1,210
ルーシャス・シェパード タボリンの鱗 竹書房文庫 ¥1,100

どちらも同一のシリーズの作品ということになります。
ファンタジィなのかSFなのか微妙なところ。
尤も,境界線を作る必要があるのかは分かりませんが。
世界観がかなり好みなので大いに期待しています。
なるべく早めに着手したいものであります。

〈2019年書籍購入覚書〉 計132冊
posted by 森山樹 at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

鯨統一郎『文豪たちの怪しい宴』

〈2019年読書感想74冊目〉
鯨統一郎『文豪たちの怪しい宴』


『邪馬台国はどこですか?』から始まるシリーズの姉妹作です。
というか,シリーズ最新作という位置付けなのかな。
このあたりは判然としないところがあります。
バー〈スリーバレー〉を舞台とするのは共通しています。
但し,今作で扱われるのはこれまでの歴史ではなく文学というのが異なるところ。
著名な作品を題材とした文学談義が繰り広げられます。
いささか,というか,かなり牽強付会な部分も見られますが,その面白さは健在。
宮田の突飛な持論とその論理展開が楽しいのですよね。
お相手をするのはバーテンダーのミサキと文学者の曽根原教授のふたり。
これまでのシリーズに登場の松永と早乙女静香の代わりといった立ち位置です。
尤も,この二人に比べるとやや個性面で劣るのは残念かなあ。
特に曽根原教授は静香程の戦闘性がないので,割と控えめに感じるのですよね。
宮田の論よりもミサキへの感情が強調されている気もします。
ミサキは文学好きなのか話を合わせているだけなのかよく分かりません。
或いはよく分からないと言えるくらいには文学を語れるということも言えます。
扱われる作品は全部で4作品。
『走れメロス』と『銀河鉄道の夜』は馴染み深い作品だけに楽しかった。
特に『走れメロス』を扱う「太宰治〜なぜかメロス〜」は納得出来る部分もあります。
作中の謎や矛盾を全て作者の意図とするのは敬意の表れと言っていいかもしれません。
「宮沢賢治〜銀河鉄道の国から〜」も最後の方は結構強引だけど割と好き。
逆に『こころ』と『藪の中』を扱った二作品はいまいち乗り切れませんでした。
両作品には強い思い入れがないのが原因かもしれません。
『邪馬台国はどこですか?』程の衝撃はありませんが,それでも十分に面白かった。
思考実験という趣もあり,興味深い作品に仕上がっています。
ただ,やっぱり文学よりも歴史を語って欲しいなあというのも正直なところです。
次回作が如何なる方向へ進むのか期待したいと思います。

(創元推理文庫 2019年)

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2019年12月25日

購入記録(2019.12.25)

峰守ひろかず 絶対城先輩の妖怪学講座(12) メディアワークス文庫 ¥715

『絶対城先輩の妖怪学講座』の最終巻を購入しました。
第二部の決着は前巻で続いているので延長戦といった趣なのかな。
個人的には全員総登場の上でのいつも通りの展開を期待します。
狐あたりには是非とも存在感を発揮して欲しいもの。
早く読みたいけれど,これで終わりかと思うと読みたくありません。
年末年始の旅のお供にするかどうか検討します。

〈2019年書籍購入覚書〉 計130冊
posted by 森山樹 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

2019年12月24日

購入記録(2019.12.24)

大塚已愛 ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲 角川文庫 ¥814
櫛木理宇 ホーンテッド・キャンパス なくせない鍵 角川ホラー文庫 ¥660
櫛木理宇 ホーンテッド・キャンパス この子のななつのお祝いに 角川ホラー文庫 ¥704

『ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲』は待望のシリーズ第2作目。
今度はどのような芸術家が取り上げられるのか楽しみです。
ヴィクトリアン・ホラー要素も更に色濃くなることを期待します。
〈ホーンテッド・キャンパス〉はこのあたりまでは読んだ筈。
と言っても,存外に内容を忘れているのでそれなりに楽しめてはいます。
主人公の存在だけが苦手というのもどうしたことかなあ。

〈2019年書籍購入覚書〉 計129冊
posted by 森山樹 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録