2020年01月11日

峰守ひろかず『絶対城先輩の妖怪学講座(12)』

〈2020年読書感想1冊目〉
峰守ひろかず『絶対城先輩の妖怪学講座(12)』


これが最終巻となる〈絶対城先輩の妖怪学講座〉の第12巻です。
前巻で,概ね本筋の決着はついており,今巻はシリーズ集大成といった印象。
シリーズを彩った人物が彼処に登場するのが嬉しい。
そして,物語の展開も今シリーズの王道といって良いでしょう。
妖怪の意外な正体や伝承の想定外の真相,起伏に富んだ物語が飽きさせません。
今巻の題材となるのは“猫”に纏わる妖怪や伝承,昔話等。
猫ばばや猫また,猫の王に五徳猫と猫尽くしの一巻となっています。
猫尽くしでありながら,一章の章題が「火車」という意外性もの楽しい。
勿論,火車と猫の意外な繋がりも非常に楽しいものがあります。
とは言え,“猫の王”の意外過ぎる真相は流石に牽強付会かなあ。
それを承知の上で,十分に楽しめる作品に仕上がっているのは嬉しいです。
“猫また”の正体はシリーズを読み続けてきた身としては思わず頬が緩みます。
科学的な見地からの検証も為されているのが説得力を有していますね。
絶対城阿頼耶とユーレイこと礼音の着地点は想定通りながら悪くなかった。
杵松先輩と織口先生もそれぞれの立場で存分に活躍をしてくれました。
特に杵松先輩はシリーズを通しての立役者のひとりでありますね。
また,〈狐〉も端役ながら,その存在感を発揮しています。
残念だったのは,クラウス先生と櫻城晃の出番が少なかったことかなあ。
尤も,あまり登場人物を増やし過ぎても問題はあるのではありますけれども。
ともあれ,シリーズの最後を飾るに相応しい作品でありました。
絶対城と礼音の葛藤とその回答も非常に満足のいくものでありました。
このシリーズに出逢えたことに心からの感謝を。
いつか,また,絶対城達に再会出来る日が来ることを願って已みません。

(メディアワークス文庫 2019年)
posted by 森山樹 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想