2020年02月27日

草野原々『大進化どうぶつデスゲーム』

〈2020年読書感想11冊目〉
草野原々『大進化どうぶつデスゲーム』


人類の存亡をかけた戦いに巻き込まれた女子高生達を描くSF小説です。
百合要素が割と大きく焦点を当てられているのは面白かった。
但し,登場人物が18人+1というのは流石に多過ぎます。
冒頭から次々に登場してくるのですが,最後まで個体識別が出来ませんでした。
似たような名前や漢字が用いられているのも原因のひとつかもしれません。
物語としては面白くなくはないのだけれど,御都合主義もかなり目立ちます。
知性を持った猫との絶滅を掛けた戦いというのは割と好き。
問題はその解決方法が最終的に突如登場した超兵器によるものということ。
これでは人間が俎上に載せられる意味がありません。
単純に物語ではなく女子高生たちの関係を楽しむ作品ということなのでしょうか。
その女子高生同士の関係も複雑に入り乱れて把握がし難かった。
複数の視点から物語は描かれるのですが,徒に混乱させているだけに思います。
舞台が新生代中期の北米大陸ということで古代生物が登場するのは楽しかった。
特にマカイロドゥスやボロファグス,アルゼンタヴィスらは目立っていました。
早紀とペディオヒエライスに育まれる友誼も悪くないです。
残念なのは古代生物の登場が特に機能しているわけではないということ。
単なる雰囲気作りの役割しか果たしていないように感じました。
全般的に行き当たりばったりな展開が続くのが気になります。
愛着の湧く登場人物が殆どいなかったのも辛いところ。
かと言って,面白くないわけではない不思議な魅力も有しています。
最後の絶望感を煽る結末は或る意味では予想通りなのでありましょう。
生理的嫌悪感を抱く描写が入念になされているのは作者の趣味のかなあ。
とりあえずは次作を読んでみたいとは思います。

(ハヤカワ文庫JA 2019年)
タグ:草野原々
posted by 森山樹 at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想

2020年02月24日

購入記録(2020.02.24)

宮澤伊織 裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル ハヤカワ文庫JA ¥858
宮澤伊織 裏世界ピクニック(2)果ての浜辺のリゾートナイト ハヤカワ文庫JA ¥858

旅行中に手持ちの本を読み尽くしたので購入しました。
多分,積読していた筈なので二重買いになっているかもしれません。
都市伝説等を題材とした作品と言うことで素直に好み。
登場する女の子たちも大変に好みです。
特に小桜さんは素晴らしく魅力的ですね。
軽妙な語り口も楽しく読むことが出来た要因のひとつでありましょう。
残る作品も早めに読み進めたいと思います。

〈2020年書籍購入覚書〉 計16冊
posted by 森山樹 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

2020年02月22日

神坂一『スレイヤーズ(17)遥かなる旅路』

〈2020年読書感想10冊目〉
神坂一『スレイヤーズ(17)遥かなる旅路』


まさかの第三部が開始してしまった〈スレイヤーズ〉の第17巻です。
前巻は事実上の番外篇だったので,久しぶりの本篇ということになります。
しかし,雰囲気が微塵も変わっていないのは素晴らしいというかなんというか。
魔族の奸計に嵌められて見知らぬ場所に飛ばされたリナの旅が描かれます。
嵌めた相手が設定だけは存在していた覇王将軍ノーストというのが良い。
更に魔族の結界の外の世界が舞台というのも興味深いです。
或る意味では世界観の裏設定が披露されるということになるのでしょうか。
対峙する相手は竜やエルフで構成されたネオスフィードという組織になるのかな。
赤の竜神側の事情が語られると嬉しいです。
世界設定上は今回は高位魔族は関わってこないかもしれません。
また,ゼルガディスやアメリア,シルフィールらの登場も難しそう。
敢えて可能性があるとすれば,ゼロスくらいのものでしょうか。
リナの姉のルナ=インバースは絶対に登場しないでしょうけれどね。
設定上は赤の竜神とは割と密接な立ち位置だとは思うのですが。
新たな旅の仲間として登場するのはランと名乗る少女。
彼女の独特の方言と性格が如何にも〈スレイヤーズ〉らしくて好き。
また,魔族の結界の内とは異なる魔法体系も気になります。
ネオスフィード側は現段階ではそれ程印象に残らないかなあ。
唯一逃走したネルフィクの今後は気になるところですけれども。
何はともあれ,過去作を踏襲するような物語展開は大変に楽しい。
第一部や第二部に並ぶ程の盛り上がりを期待したいと思います。
諧謔を交えた独特の軽妙な語り口に懐かしさを感じざるを得ません。

(富士見ファンタジア文庫 2019年)
タグ:神坂一
posted by 森山樹 at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想

2020年02月21日

購入記録(2020.02.21)

森晶麿 探偵は絵にならない ハヤカワ文庫JA ¥836
紺野天龍 錬金術師の密室 ハヤカワ文庫JA ¥858

『探偵は絵にならない』は浜松を舞台とした連作ミステリィ。
浜松は割と馴染み深い街なので楽しみです。
森晶麿の作品と言うことで安心感があるのも嬉しい。
『錬金術師の密室』はファンタジィ・ミステリィとのこと。
題名と表紙に心惹かれました。
期待通りに面白いことを願っています。

〈2020年書籍購入覚書〉 計14冊
posted by 森山樹 at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

2020年02月19日

アンドリュー・メイン『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』

〈2020年読書感想9冊目〉
アンドリュー・メイン『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』


最新の科学技術を駆使する生物学者セオ・クレイを主人公とするミステリィです。
野生動物に襲われて死んだとされる女性生物学者の死から物語は始まります。
割と突っ込みどころは多いながらも,何というか不思議な魅力に満ちています。
動物の鉤爪と犯行に使われた刃物は直ぐに識別されるような気がします。
そして,結果として判明した被害者の数が多過ぎるのもどうなんだろう。
特定の地域でそれだけの行方不明者が頻出するのは普通に不自然に思えます。
尤も,アメリカの事情故に理解出来ない部分もあるのかもしれません。
セオ・クレイが開発した矢鱈と精度の高い遺体発見プログラムも謎です。
御都合主義の展開が続くのですが,だからと言って面白くないわけではありません。
全く手掛かりがなく,孤立無援の状況から事件を解決に導く活躍は楽しい。
明晰な頭脳と比例する個性的な性格のセオ・クレイこそが最大の魅力でありましょう。
暴走する素人探偵の或る意味での素晴らしさが堪能出来ます。
と言って,知性だけで解決するわけではなく,最後は戦闘というのも不思議です。
娯楽小説の粋を突き詰めている感があります。
但し,個人的には警察が頑迷で無能に過ぎるというのはやや残念。
主人公を引き立てるが故に警察があまりにも卑小化されているきらいがあります。
また,真犯人の正体に伏線が殆どなく唐突に登場するのも不満が残りました。
セオ・クレイ以外の登場人物の使い捨て感もかなり覚えてしまいます。
数少ない例外であるヒロイン役のジリアンは魅力的でありましたけれども。
結末がかなり性急なのはちょっと唖然としてしまいました。
もう少し余韻を残すような終わり方には出来なかったものなのかなあ。
個人的には割と面白かったのですが,他人には進め難い作品でありました。
次作がどのような展開になるのか楽しみではあります。

(ハヤカワ文庫HM 2019年)
posted by 森山樹 at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想