2019年08月27日

ジェームズ・ロリンズ『ギルドの系譜(下)』

〈2019年読書感想50冊目〉
ジェームズ・ロリンズ『ギルドの系譜(下)』〈シグマフォース〉


ドバイとアメリカを舞台にギルドとの最終決戦が描かれる〈シグマフォース〉第7作目です。
これまで以上の窮地の中を鮮やかに戦い抜くシグマフォースが格好いい。
特に久しぶりに戦場へ復帰したキャットの姿が印象的です。
リサやセイチャンとともに強い女性が多いのも本作の魅力のひとつですね。
今巻では登場しませんでしたが,レイチェル・ヴェローナもそのひとりかな。
中盤から終盤までの息を吐かせない激戦は非常に楽しかった。
最近はペインター指令官に食われていたグレイ・ピアースも大活躍しますしね。
但し,ギルドの正体というかその全容については拍子抜けかなあ。
結局,最後まで何を目的としていたのかが分からないままでした。
今作に限って言えば,不死であることは間違いがないのですけれども。
これまでの作品でシグマと争った遺物とが結びつかないのですよね。
単に世界を牛耳るよく分からない悪の組織のままで終わってしまった気がします。
その支配者は或る意味では予想通りというかなんというか。
また,ドバイを舞台とするだけの必然性にも乏しかったかなあ。
確かに驚異的な建築物が乱立する魅力的な都市ではあるのでしょうけれども。
シグマフォースの協力者となったタッカー&ケインはなかなか良かった。
軍用犬であるケインの視点からの描写も興味深いものがありました。
シグマフォースには加わりませんでしたが,今後も登場することになるのかな。
このひとりと一匹を主人公にした番外篇もあるようなので期待したいと思います。
ギルドが一応壊滅したことで今後の展開がどのようになるのかは不明。
セイチャンの出自が明かされたことで,此方が物語の中心になる気もしますが。
尤も,ギルドの真の血筋を有する者はまだまだ残っていそうな感じがします。
ギルド残党との戦いが主軸となっていくのかもしれません。
今作では薄めだった歴史要素も次作以降では再び濃厚になることを望みます。
何はともあれ,シリーズの一旦の終結作としてはそれなりに満足。
今後の新たな展開を楽しみにしたいと思います。

(竹書房文庫 2015年)

posted by 森山樹 at 06:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想
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