2019年08月28日

カミラ・レックバリ『氷姫』

〈2019年読書感想51冊目〉
カミラ・レックバリ『氷姫』〈エリカ&パトリック事件簿〉


〈エリカ&パトリック事件簿〉と銘打たれたミステリィシリーズの第1作目です。
舞台がスウェーデンということで如何にもな北欧ミステリィと言った感じ。
いや,そこまで北欧ミステリィをきちんと読み込んでいるわけではありませんが。
死体で発見された幼き日の親友の真相を求めて奔走するエリカが主人公。
そのエリカの幼馴染で現在は刑事のパトリックがその相棒ということになります。
エリカは伝記作家であり,行動力のある魅力的な女性ということでいいのかな。
女性作家が描く女性主人公ということで自分には共感し辛い部分も多々あります。
北欧ミステリィらしく家庭問題や社会問題が扱われるのも好みは分かれそう。
尤も,今作では社会問題の色合いはそれ程濃いものではありませんでしたが。
事件そのものは割合に独創性のないありふれたもの。
エリカとパトリックの捜査の末に明かされる真実も予想通りと言えば予想通り。
但し,その真実に至るまでの捜査の過程が丁寧に描かれているのが面白いです。
一見関係のない事象が徐々に繋がっていき,一極に集中するのは大好き。
問題は割と偶然性が高い事象が連続して,結果的にご都合主義に思えることかなあ。
また,エリカに対してパトリックが捜査内容を簡単に漏らし過ぎなのはいいのか。
幾ら惚れた女性が追う事件解決の為とは言いながら,公私混同が過ぎる気がします。
エリカと妹アンナ夫妻,それに両親の遺した家の問題も解決していないしね。
このあたりは或る意味では現実的ですが,現実的過ぎてちょっと嫌になります。
エリカとパトリックよりも脇を固める人物の方が個性的で魅力的。
特にパトリックの同僚のアンニカは大好き。
捜査に来たパトリックにお菓子を振る舞うペトレーン夫人も微笑ましいです。
スウェーデンでは大人気のミステリィということで既に邦訳も10冊くらい出ているみたい。
まあ,これから先に更に面白くなることを願って次作も読みたいと思います。
社会問題色が強くなると苦手感を覚えてしまうかもしれませんが。

(集英社文庫 2009年)

posted by 森山樹 at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想
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