2019年10月15日

櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート』

〈2019年読書感想63冊目〉
櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート』


ライトノベル系ホラー小説〈ホーンテッド・キャンパス〉の第2作目です。
引き続きの再読です。
今回も5篇が収録された短篇集となっています。
雰囲気としては第1作目を踏襲しており,割と軽めかなあ。
尤も,扱われる事件には明確な殺人事件も含まれているのも確かですが。
個人的には過去作の登場人物が出演の「幽霊の多い居酒屋」が一番かな。
璃子と結花の二人組は大好きなのですよね。
こういう感じに過去の登場人物との繋がりを描くのは好みです。
ミステリィ要素の強い「彼女の彼」も悪くないけれど,真相が見通し易い。
捻ってあるのが却って捻っていない印象を受けました。
生き人形が扱われる「人形花嫁」は怪奇度が割と高め。
但し,これも事象の主体が誰なのか分かり易過ぎるきらいがあります。
その根源となる力の正体が描かれなかったことは不満。
安直に或る種の超能力と捉えてもいいのでしょうけれども。
そして,主人公の逡巡する恋模様は本気で余計な要素に思えてしまいますね。
黒沼部長の背景が少し描かれたのは興味深かった。
藍のさばけたお姉さんぶりは健在というか,更に男前になっています。
幾篇かで姿を見せた矢田先生は今後も登場することになるのでしょう。
或る種の理想化された学生生活という描写は楽しい。
定型的な軽いホラー小説という印象をこれから如何に脱却するか楽しみです。
あまり陰鬱な方向に行って欲しくはないのも事実ですけれどね。

(角川ホラー文庫 2013年)

タグ:櫛木理宇
posted by 森山樹 at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想
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